最近ではTwitterとFacebookの流行により、写真をアップしてコミュニケーションを図る機会が増え、皆様もごくごく普通にやっていることだと思います。
私もフューチャーフォン(以下、ガラケーに略)&iPod touch 5th&mobile Wi-Fi ルーター(docomo L-09C)の組み合わせで、愉しんでおります。
最近のスマートフォン(以下、スマホに略)の内蔵カメラはだいぶ性能が上がっているので、屋外なら大抵綺麗に撮れます。ただ、暗い屋内や夜間撮影となると、豆粒センサー故、どんなに高画素でも最近のコンデジに比べると画質的に劣りますし、一眼やミラーレスカメラと比較すれば言うまでもありません。
どうせ写真を上げるなら、「綺麗な写真をアップしたいし、共有したい!」と思う人は多いと思います。
そういう時に役立つのが、いわゆる、Wi-Fi対応のSDHCメモリーカードです。
この分野では、Eye-Fiが古参で有名ですね。古参だけに多機能で安定性も悪くないと思いますが、如何せん、ちょっと高いのがネックです(;・∀・) 他には東芝のFlashAirあたりもメジャーでしょうか?そんな中で、SDHC16GBの容量でClass10規格を採用した製品が、Transcend社から2013年1月下旬に発売されました。
ネット上では他社の商品ほど噂には上がりませんでしたが、「私の目的には合致しているかな?」と思い購入してみたので、2週間ほど使用した上でのレビューをしてみようかと思います。
仕様一覧(メーカーPDFより引用)
画像(JPG/BMP/PNG)の閲覧
動画(AVI/MOV/MP4/M2T/MTS/M2TS)の再生*
iOS、Android、Windows、Linux、Mac OS Xに対応
iOS & Android搭載機器専用のアプリ
ワイヤレスで写真や動画を共有
Shoot & View機能(iOS & Android搭載機器)
Facebookに直接写真をアップロード
SD 3.0規格に準拠
スピードクラス: Class 10
*動画のストリーミングにはHD-720p 1280x720@30fps以下の解像度と1472Kbps以下のビットレートを推奨
システム動作環境(以下のオペレーションシステム)
Microsoft WindowsR XP
Microsoft Windows VistaR
Microsoft WindowsR 7
Microsoft WindowsR 8
MacR OS X 10.5以降
LinuxR Kernel 2.4以降
Wi-Fi SD Appの起動
iPhone (3GS/4/4S/5)、iPad mini、iOS 5.0以降を搭載のiPad
Android 2.3以降を搭載のAndroid機器
ワイヤレス通信のパフォーマンスは環境やデバイス/ホットスポットからの距離に依存します。より良い通信速度を利用するにはWi-Fi SDカードの位置や向きを調整するなどしてください。
また、カメラの省電力機能(自動パワーオフ)をオフにすることをお勧めします。
Transcend Wi-Fi SD Card 商品公式サイト
まずはパッケージ写真&同梱物の紹介
紙のパッケージとなっています。
同梱物: Wi-Fi SD Card本体、カードケース、保証書、クイックスタートガイド(英語)とシンプルな内容物です。保証期間は2年となっております。ネット通販で購入の場合、万が一のために納品書(領収書)の類は捨てないようにしましょう!
Transced社の普通のSDHCカードとサイズ比べをしてみました。当たり前ですが、サイズはSDフォーラムの規格通りですねw
ベンチマーク結果も取ってみました。(全てUSB3.0で接続。)
(Crystal DiskMark 3.0.1 x64で計測。カードリーダーはplanex社のPL-CR55S3U3-Bを使用。)
テスト条件や容量等は違うものの、全てClass10SDHCカードでの比較です。東芝(白芝)MLCタイプに比べると若干遅めですが、一般的な用途としては十分すぎるスピードです。これ以上の速度を求めるなら、例えばUHS-I対応の製品とかSanDisk社のカード等しかないでしょう。(Wi-Fi対応ではありませんが・・・。)
東芝16G、Transcend Wi-Fi SD Card 16G、Transcend 8GBでテスト
以下、設定方法
自分の場合はiPod touch 5thなので、iOS用の専用アプリを落とします。AndroidOS用の専用アプリもあります。
App Storeで「Wi-Fi SD」をキーワードにして検索します。(小文字でもOK)
Wi-Fi SDのアプリをインストします。
起動画面はこんな感じです。
同梱品の添付のマニュアルは英語で分かりにくいので、Transcend社の日本法人のサイトからPDFのマニュアルをDLします。PDFマニュアルは日本語なので安心して設定が出来ます。
Transcend社 DLサイト
あと、購入したSDカードは最新のファームウェアじゃなかったので、最新版にアップデートしました。(バグフィックス等も含まれているため。)
ダウンロードセンターから、WiFi SD Firmware Update Tool V1.6(Tool v1.5) Windows用をダウンロード
PCの対象OSに合わせてDLしてくださいね。私はWindows7 64bit なので、Win版をDLしています
Updateはカメラからも出来るようですが、安心感を考えるとPCとSDカードリーダーを使って更新したほうが安心だと思います。ファームウェアのアップデートは、BIOSのアップデート同様、慎重を期すべきです!
青枠の部分をダブルクリックしてアップデートツールを起動させます
起動画面
アップデートツールを起動後、次にSDカードリーダーにWi-Fi SD Cardを挿して認識させてから、画面上のUpdateボタンを押して更新開始です。Updateにはインターネット接続が必須です。途中で数回、カードの抜き差しが要求されるのでその指示に従って下さい。数分でファームウェアのUpdateは完了します。
これで下準備は整いました。
最終設定に取り掛かります。
仕様機種
カメラ:Canon PowerShot S100 タブレット:iPod touch 5th 無線LAN:NEC WR8700N HP/docomo L-09C
カメラにWi-Fi SD カードを挿入して、カメラの電源をONにします。そうすると自動的にWi-Fi SD CardのWi-Fi部分に電源供給され、約40秒後にiPod touch 5thのネットワーク設定画面で電波(Wi-Fi SD Card)を掴んでくれます。一応、PDFマニュアルには撮影モード状態より写真プレビューモードのほうが電波を認識しやすいと記載がありました(試しにストップウォッチ片手に10回ずつデータを取って比べてみましたが、撮影モードよりプレビューモードのほうが平均で約3秒程、早かったです。大して差がないかな?^^:まぁ、カメラ&スマホ{ダブレット}機種の組み合わせによっても違うのかもしれません。)
10回の平均データ
ダイレクトシェアモード:(撮影モード時)42.8秒 (写真プレビューモード時)39.6秒
動作対象機種は公式サイトより確認出来ます。最近のカメラについてはほぼ網羅されているかな?という印象ですが、全てではありません。
WIFISDというのが、SDカードの電波(SSID)となります。これにセットしておきます。
次に先にインストしておいたアプリを立ち上げます。初期アクセスに必要なパスは「12345678」です。
初回立ち上げ時のみ、クイックセットアップ画面が出てきますので、これを使って設定していきます。
「はい」を選択して次へ進みます。
Wi-Fi SD CardのSSIDとキー(パスワード)を自由に選択出来ます。自分のお好きな名前で良いと思います。
ホットスポットの設定をします。ホットスポットというのは、自宅にある無線LANルーターやmobileWi-Fiルーター、テザリング対象スマホなどを指します。ホットスポットは最大3つ設定出来ますが、ここでは1番優先的にアクセスする無線LANのSSIDとキーを設定することになります。(残り2つは後から追加&変更が出来ます。)私は、自宅の無線LANルーターの設定をしました。大事なことですが、SDカードが2.4GHz帯しか対応しないので、5GHz帯のSSIDやキーを設定しないようにしましょう。 画面右上の「次へ」をタップして、ステップ3へ進みます。
ステップ1&2で設定した内容を確認します。OKなら右上の保存を押して終了となります。
ソフト起動画面に戻ります。 左上の再スキャンをタップします。
設定がおかしくなければ、画面上の閲覧をタップすれば、Wi-Fi SD Card内のデータを以下のように参照できるようになっているはずです。
画面右下の黄色の部分をタップすると、iPod touch内部のデータに移ります。再度押せば、Wi-Fi SD Cardのデータに変わります。
写真をタップすると、読み込んでプレビューとして見ることができます。(注意:この時点ではiPod touchの方へDLはされていません。)
こんな感じで見れます。
写真のDLは、一枚ずつプレビューを確認しながらDLしていく方法もありますが、欲しい物だけを選択して一気にDLすることも可能です。その場合、画面右上の赤枠をタップしチェックボックスを出して、落としたいファイルを選択します。 チェックを入れたら、画面左下の緑枠の部分をタップします。そうすると、AppFolderかカメラロールにダウンロードを選択できるので、好きな方を選択してDLします。ちなみに画面右下の青枠の部分をタップすると、Facebook、Twitter、Flickr、Weiboに直接アップすることもできます。
DL中は以下の画面が出ます。
転送速度は後述しますが、ダイレクトシェアモード(カメラとWi-Fi機器{スマホ、iPad等の各種タブ}のP2P接続)の方が早めに落ちてきます。間に無線LANルーターやmobileWi-Fiルーターの相性やスピードの影響を受けないせいかと思います。しかしながら、Transcend Wi-Fi SD Cardの最大の売り&見せ場は、インタネットモードと呼ばれるモードです!!
売りの「インターネットモード」について説明致します。
他のWi-Fi SDカードがどのような転送システムを取っているのかについては他社製品を持っていないので分かりませんが、基本はP2Pベースの1:1でのダイレクトシェアモードが主流だと思います。この場合、カメラのWi-FiSDカードとTwitter等の外部インターネットに同時アクセスすることは不可能で、一度P2Pモードで写真を転送した後、スマホやタブレットのネットワーク設定をWi-FiSDカードの接続から外部ネットワークに変更し、Twitter等への写真アップの過程だと思います。
しかしながら、Transcendの「インターネットモード」ではこれが同時に出来てしまいます!!
これが魅力で購入したといっても過言ではありません。煩わしさが軽減されますからね~(・∀・)
では、インターネットモードの設定について説明したいと思います。
まずは最初に説明したダイレクトシェアモードで接続します。
そして、画面下の設定画面をタップします。 ログイン画面がでてくるので、初期設定のユーザー名&パスを入れます。(両方共:admin)
「接続モードの切り替え」をタップします。
あと、インターネットモードでのWi-Fi SDカードの認識には最大で1分程度かかる場合があります。もし1分以内に接続できない場合、自動的にダイレクトモードにかわってしまうそうなのでここは注意が必要です。ちなみに、自分の組み合わせ環境においては、10回平均で47.4秒で認識しました。)
長所:煩わしいネット回線の切り替えが不必要になります。
短所:自分の環境だけの問題かもしれませんが、インターネットモードの場合、ダイレクトシェアモードよりWi-Fi SD Cardの電波を掴むのに約8秒程増えてしまうことと、ルーター回線のスピードに影響を受けて、ダイレクシェアモードより写真の転送に時間がかかってしまうことも、条件によってはあり得るということですね。
設定方法は以下となります。(一度設定すれば今後は変更しない限り、インターネットモードで最初から起動します。)
ダイレクトシェアモードで起動。設定をタップしてログイン画面でログイン。アプリの設定画面を開きます。
上から2番目の項目「Wi-Fiオプション」をタップすると、以下の画面が出てきます。
デフォルトモードを「インターネットモード」にチェックを入れて適用をタップします。その後、カメラの電源のOFF&ONをすれば、今後は初期起動時から「インターネットモード」で起動します。先に設定しておいたホットスポット1の設定とスマホ&タブ側のネット設定を合わせることをお忘れなく。
尚、画面上にWi-Fi機能の自動OFF設定がありますが、無効や10分だとカメラのバッテリーの消費が激しいので、SDカード認識接続時間ギリギリの1分or余裕を見込んでの5分設定をオススメ致します。ただ、一度でもWi-Fi接続が成立するとこの機能は無効になるらしいので、通信が終わったらこまめにカメラの電源をOFFにしたほうが良いでしょう。
docomo L-09CのmobileWi-Fiルーターが、iPod touch 5thとWi-FI SDカード2つの電波をシェアした時の液晶画面の表示はこんな感じに。(液晶画面左下に02、乃ち2台認識しているという表示です。)
あと、他で設定項目で説明していないのは、上から3~6番目の部分ですね。
「ダイレクトシェアモードの設定」は、SSIDとキー(パス)、WPA2のON&OFFの設定ができます。WPA2については、最近、Wi-Fiカメラの不正アクセスが容易になってきていると警告があったので、不正アクセス防止のためにも、ONしておいたほうがいいでしょう。
「インターネットモードの設定」は、ホットスポットの登録&変更が最大3つできます。一番上から優先的に電波(SSID)を探していくようです。ステルスSSIDには未対応とのこと。
「セキュリティの設定」は、最初のログイン時のID&パスワードを変更できます。
ラストの「Wi-Fi SD情報」は、容量データやMACアドレス、FirmwareVer.を確認出来ます。
以上、こんなところです。
あと、ノートやデスクトップPCのブラウザを使っての接続も出来るようですが、My自作PCは有線LANで接続しているので試すことができませんでした。無線LANを導入したら、合わせて情報を更新したいと思います。接続は「ダイレクトシェアモード」限定のようです。
「Shoot&View」の機能は、カメラで撮影したら数秒後に自動転送されてスマホやタブに画面が表示される機能です。すぐに大きめの画面で確認したい人には良い機能かもしれません。(スマホより7インチ以上のタブレット端末持ち向きの機能かな?)
全部は網羅しきれませんでしたが、大体の特徴は説明できたかな?と思います。
最後に、Transcend Wi-Fi SD Cardの長所と短所をまとめてみようかと思います。
長所
1、他社の同種の製品に比べてかなり安い!16GBのClass10仕様で約5000円程度で買えるのは嬉しい(・∀・)
2、インターネットモードの利便性は、現代のSNS事情を鑑みれば、かなり使える仕様であること。
短所
1、Wi-Fi SDカードの電波を掴むのに時間がちょっと掛かり過ぎること。私の環境では、ダイレクトシェアモードで平均39.6秒、インターネットモードで平均47.4秒でした。どんなにかかってもカメラの電源投入後、30秒位内でSSIDを掴めるようにFirmwareの改善を望みたいです。
2、Wi-Fi機能の自動OFF設定に2分ないし3分の設定を追加で入れて欲しい。又、一度でもWi-Fiを掴んだらこの自動OFF機能が無効になるようですが、一度、電波を掴んでも無通信時間がまた設定時間分続いたら、自動OFFになるようにして欲しい。
3、スマホ&タブレット側からも、Wi-Fi機能のON&OFF信号を制御できるようにして欲しい。
4、Eye-Fiにあるような自動転送機能もつけて欲しい。
長所よりも短所が多めのまとめとなってしまいましたが、使用ユーザーの期待の現れと捉えて頂ければ幸いに存じます。また、買って損した~(T_T)という気分はしなかったので、もうちょっとファームウェアやアプリの改善を希望したいところです。(特にSSIDの掴み時間の短縮だけは早急に実現して欲しいかな。)
この製品はRAWファイルには対応していませんが、スマホ以上の画質を持つカメラのJPEGをTwitterやFacebookで共有したい、またネットワークを切り替えずにアップしたいという目的の方にはうってつけの製品だと私は感じました。
以上
Transcend Wi-Fi SD Card TS16GWSDHC10 の使用レビューでした。
長文グダグダでスイマセンm(_ _)m